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成年後見制度 法制審が見直し中間試案
成年後見制度 ー 法制審議会が中間試案を公表
高齢化が進む中、認知症などにより判断能力が不十分な方に代わって、財産管理や契約手続きなどを支援する成年後見制度の利用が増加しています。しかし、制度の「使いにくさ」から、本来支援が必要な方々の利用が進んでいない現状があります。
このような課題を受け、法制審議会では見直しの検討を進めており、2025年6月、中間試案が公表されました。以下、その主な内容をご紹介します。
中間試案の主なポイント
① 途中で制度の利用をやめられるように
現行制度では、いったん制度を利用し始めると、原則として被後見人が亡くなるまで制度が続きます。そのため、「必要な期間だけ利用したい」と思ってもやめられず、利用をためらう要因となっていました。
今回の試案では、
- 支援が不要になった時点で制度を終了できる
- 利用開始時に、一定の期間を定めて裁判所の認定を受ける
といった選択肢が盛り込まれています。
② 後見人の交代が可能に
後見人と被後見人やその家族との相性が合わない場合などに、後見人の交代が可能となる制度を新たに導入する案が示されています。これにより、より利用者本位の制度運用が期待されます。
今後の見通し
この中間試案は、国民からの意見(パブリックコメント)を募ったうえで、さらに検討が進められ、最終的な答申として取りまとめられる予定です。
最後に
成年後見制度は、利用者本人の人生を支える大切な制度です。今回の見直しは、制度の利用ハードルを下げ、より柔軟で実態に即した支援を可能にすることを目指しています。
私たちの身近な問題として、この制度がどう変わろうとしているのか、ぜひ注目してみてください。