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相続放棄を行う上での注意点
Aさんの家は父・母・長女であるA・次女の4人家族です。
お父様のご両親はすでに他界、兄弟として弟が一人いる。
令和6年3月、お父様が他界した。お父様の財産は全て母に渡したかったので、子であるAと妹は相続放棄の手続きをしました。
これで母に財産が渡ることになり一安心、、、と思いきや、、、
お父様の財産を受ける権利、その弟さん(叔父)にもある・・・
<<どうしてそうなるのでしょうか???>>
1. **相続放棄すると、その人は「最初から相続人でなかった」ことになる
たとえば、Aさんと妹が相続放棄をすると、相続の場から退場したことになります。
そのため、本来は相続人でなかった次順位の人――この場合は**父の弟(叔父)**に相続権が移ります。
子ども全員が放棄すると、結果的に望んでいなかった人が相続人になるリスクがあるのです。
2. **「母に全部渡したい」なら、相続放棄ではなく「遺産分割協議」も選択肢
相続人全員(母・子)が協議をして、「母が全て相続する」と決めることができます。
この方法なら、放棄による順位移動が起きず、叔父に相続権が回ることを防げます。
3. 相続放棄は“個別”で行われるため、放棄したことが連携していないとトラブルに
例えば、姉は放棄したが妹はしていない、という状況で妹が手続きを遅らせると、熟慮期間(3か月)を超えてしまい、妹だけ単純承認(放棄できなくなる)という可能性も。
事前に家族間で情報共有・連携が必須です。
4. 放棄することで新たな相続人(叔父など)と遺産を巡る話し合いが必要になる可能性
例えば、放棄後に叔父が「自分の取り分を主張」した場合、その人を交えた遺産分割協議が必要になります。
結果として、「母が全部受け取る」は実現しないことも…。
✅ 結論:
相続放棄は「債務が多いとき」や「相続したくないとき」に使う手段です。
「特定の人に全て譲りたい」場合は、相続放棄ではなく遺産分割協議が適しているケースが多いです。