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登記識別情報ってなに?~不動産の“鍵”となる大切な情報~
不動産を購入したり、贈与などで名義が変わったときに、法務局から受け取る大切な書類があります。
それが「登記識別情報」です。
これは、不動産の所有者が正しく登記されたことを示す、いわば 「不動産のカギ」 のようなもの。
とても重要な情報なので、しっかり理解して大切に保管しておきましょう。
◆ 登記識別情報とは?
登記識別情報とは、不動産の登記名義人(つまりその不動産の正式な持ち主)となった人に対し、法務局から通知される 12桁の英数字や記号で構成されたコード のことです。
この情報は、次にその不動産を「売る」や「贈与する」といった登記手続きを行うときに、登記所へ提出することで「本人が本当に持ち主である」ことの証明手段として使われます。
◆ 昔は紙の証明書だった?
実はこの制度は昔からあったわけではありません。
以前は「登記済証(とうきずみしょう)」と呼ばれる紙の証明書が発行されていました。
しかし、近年のIT化に伴って登記申請がオンラインでできるようになったため、紙ではなく番号による情報通知の方式へと変わりました。
これにより、よりセキュアで効率的な本人確認が可能となっています。
◆ 登記識別情報の通知書はこんなものです
通知書の紙には、登記識別情報が記載された部分に「目隠しシール」が貼られています。
これは、勝手に中身を見られたり、複写されることを防ぐためのものです。
重要!
- このシールは登記が必要になるまで剥がさないことを強くおすすめします。
- 一度剥がすと元には戻せませんし、誤って第三者の目に触れるリスクも高まります。
◆ 万が一、登記識別情報をなくしてしまったら?
ご安心ください。登記識別情報を紛失してしまっても、登記ができなくなるわけではありません。
ただし、「本人確認情報」という別の手続きを経る必要があります。
これは司法書士などの専門家による本人確認をもとに申請するもので、時間も費用も余分にかかる場合があります。
◆ よくある誤解と注意点
誤解 | 実際はこうです |
---|---|
登記識別情報はただの番号だから、あまり重要じゃない? | いいえ、とても大切な情報です。第三者に知られると、不正に不動産を移転される危険もあります。 |
家族なら勝手に使ってもいい? | 原則として本人の意思に基づいて使用されるべきものです。ご家族でも慎重な取り扱いが必要です。 |
一度使ったら破棄していい? | 一度登記を済ませたら使う機会は減りますが、次回の登記などで再度必要になる場合もあるため、保管継続が推奨されます。 |
◆ まとめ:大切な資産を守る“カギ”
不動産は、多くの方にとって人生で最も高価な資産のひとつです。
「登記識別情報」は、その大切な資産を守るための“カギ”とも言えます。
- 登記識別情報通知書は、シールを剥がさず大切に保管しましょう。
- 万が一なくした場合の手続きや費用のことも考え、できれば金庫など安全な場所での保管がおすすめです。
不動産の権利に関わる情報は、日常ではなかなか意識しないものかもしれません。
しかし、いざというときに困らないよう、ぜひ一度お手元の通知書を確認し、適切な管理を心がけてくださいね。